園長日記
6月17日に、兵庫県立大学地域資源マネジメント研究科の開設記念式典が執り行われた。この研究科の理念については、園長日記No.26ですでに書いたので、それをご覧いただくとして、ここでは式典そのものにだけ触れたい。
まず、研究科の開設が4月1日でありながら、その記念式典が2ヶ月半も延びてしまったことについては、気の抜けたビールのようだという意見も一部にあったようだが(正直言って私もそう思っていた)、式典のあいさつの中に、大学院生のすでにこの間、勉学しての感想を交えた挨拶もあり、これはこれで、気が抜けたビールどころかピリッとしていて大変よかったと思う。学長挨拶に始まり、たくさんのご来賓から頂いたご祝辞とお励ましの言葉も、それぞれ、温かく、ユーモアに富んでおり、和やかなうちに式典は進行したように感じる。そして、江崎研究科長からは研究科の概要について説明が行われた(写真1)。
賜ったご挨拶やご祝辞は、出席者は当日直接お聞きできたし、マスコミなどでも触れられたと思うので、ここでは私の感想を学生さんと先生方にひとつずつ述べてみたい。まず、学生さん方に。ここで得られる学位は「Master of Philosophy(哲学修士)」であることを肝に銘じてほしい。日本語では「学術修士」と訳されているが、意味するところは、単なる「理学修士」や「文学修士」ではなく、統合された「知」、すなわちリベラルアーツとしての教養を磨くことを心掛けてほしい。次に、先生方には、大変生意気で失礼な言い方であるが、これだけのスタッフの中で、あまりに教授が少なすぎる気がする。教授を増やすことは、先に書かせていただいたリベラルアーツを目指す学生さんたちを支えるうえにも、さらにこの先「博士課程」に発展させるためにも、まずは乗り越えなくてはならないことであろう。
ご挨拶やご祝辞の中で、長たらしく、わかりにくい新研究科名について、いくつものご意見が頂戴できたが、「名は体を表す」とはいうものの、大事なのは、やはり名前ではなく実績であるように感じる。最後には、知事さんと学長さんが大学のエンブレムを壁にはめ込み(写真2)、式典はつつがなく終了した。今回できた新研究科と「郷公園」のあるべき姿について、両者で早急に話し合いをもちたいものだ。
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