公立大学法人 兵庫県立大学大学院大学院 地域資源マネジメント研究科

園長日記

(049)J0051(ポンスニ)の韓国からの帰還

もうだいぶ前のことになるが、韓国へ行っていたJ0051が4月23日に豊岡へ帰ってきた。この鳥については、すでに園長日記のNo.28とNo.39に書いているのでお読みいただきたいが、韓国では「ポンスニ」と呼ばれていたようだ。以下は読売新聞の松田記者から聞いた話だが、英語表記はBongsuniだが、発音はポンスニだそうだ。地名に由来し、韓国でJ0051が最初に見つかった華浦川湿地(ファポチョン湿地)の隣村「ポンファ村」に由来する。ポンファ村は、盧武鉉(ノムヒョン)元大統領の出身地で、華浦川湿地(ファポチョン湿地)を最初に保護したのはノムヒョンさんである。「ポンスニ」は、その元大統領の出身村の名前「ポン」と「スニ(女の子:~ちゃんの意味)」をあわせたもので、「ポンファ村の女の子」と言う意味になるという。何とも味のある愛称であり、韓国ではこの名で、およそ1年半かわいがられていたのだ。彼女は今年の4月20日には島根県隠岐の島町で見つかっていたが、それが23日には豊岡へ戻ったわけだ。

韓国では今秋、コウノトリの放鳥の計画がある。ポンスニはちょうど豊岡でのハチゴロウの役目を果たし、放鳥への大きな弾みになったはずだ。彼女は韓国では北方からの越冬個体(多分ロシアからの)と一緒に行動したり、韓国の籠脱け個体と行動を一緒にしたりしていたので、春になったらロシアへ一緒に北帰してしまうのではないかとか、韓国の個体とペアになるのではないかなどと期待されたが、結局は戻ってしまったのである。

そうは言っても、日本生まれのコウノトリが初めて国外へ飛んで行き、私たちの今年の合言葉、『全国へ、そして世界へ』の大きな第一歩となったのである。郷公園の大迫研究部長補佐が撮影したポンスニの海を越えた力強い飛翔のイメージ(写真1)から、西井指導主事を委員長とする委員会が、今秋迎える放鳥10周年の記念ポスター原案を考案中である(写真2)。

(写真1)韓国から帰国して但馬の空を飛翔するJ0051(2015年5月23日撮影:大迫義人)

写真1 韓国から帰国して但馬の空を飛翔するJ0051(2015年5月23日撮影:大迫義人)

(写真2)放鳥10周年の記念ポスター(イメージ)

写真2 放鳥10周年の記念ポスター(イメージ)


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