園長日記
(039)韓国に渡ったコウノトリにお友だち
園長日記No.28で、豊岡・伊豆巣塔生まれのコウノトリ(J0051)が、ついに韓国の金海(キメ)市、花浦川湿地へ飛んでいった話を書かせてもらい、コウノトリの野生復帰が、また新たな局面を迎えたことをお伝えした。そして、このメスは単独行であるうえ、まだ2歳にもなっていないので、「性成熟するのにも数年かかるし、当面は帰ってきてしまう可能性が高いだろう」とも書いた。ところが彼女は私の予測に反して、うれしいことにまだ韓国に留まっているのである。
それどころか、このほど、郷公園と研究連携している韓国教員大学の、Jongmin Yoon(ユン・ジョンミン)博士から、とんでもないニュースが届いた。このJ0051が、金海(キメ)市から約90キロ西の河東郡に移り(写真1)、最近、計4羽で仲良くやっているそうだ(写真2)。J0051以外の3羽については、詳しいことが書かれていないが、少なくとも2羽には脚輪がついていないので、同博士は「ロシアからの野生越冬個体だろう」と言っている。来年の放鳥を前に韓国へ飛来した日本のコウノトリは、まさに「ハチゴロウ」の役目を果たそうとしているようだ。
韓国では、来る11月21日、コウノトリ保全のためのワークショップを開催する予定で、そこへ郷公園の研究者が招かれており、内藤・佐川両准教授を送る予定だ。この会議で郷公園は野生復帰の科学の最先端を紹介する役目を果たすが、詳しいことは、彼らが帰国してから聞くことができるだろう。いずれにしてもビッグニュースだ。
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