園長日記
(034)速報・赤石の弟の祝再婚!
すでに、赤石巣塔の「姉・弟婚の解消」のために、4月22日に姉を捕獲し検疫棟に隔離したことを前回お知らせした(園長日記No.33)。しかし、人為的に二人の仲を割くだけでなく、残されたオスが再婚してくれなければ捕獲の最終目的は果たせないとも書いた。
ところで、喜ばしいことに、その目的は見事に果たせそうになってきた(写真1)。というのは5月8日、早くも赤石巣塔で新カップルの交尾が観察されたのだ。隔離後わずか2週間後である。新カップルと書いたが、正確に言うと「新」ではない。やってきて再婚したメスは、実は2012年に三江小学校の巣塔で、このオスとペアを組んでいたJ0017♀であり、さらにこのメスは隣の戸島の巣塔に現れては、再三にわたって子殺しなどの繁殖妨害をしていた独身メスなのである。このメスが、姉との仲を引き割かれたJ0426♂と赤石巣塔で復縁したことになる。今度は近親婚ではないので、私たちは繁殖阻止をする必要も無くなったし、これでJ0017♀が戸島のペアの繁殖を邪魔しに行くこともないだろう。誰よりも喜んでいるのは、戸島ペアの保護者(?)である佐竹節夫さんのはずだ。彼もきっとこれで枕を高くして眠れることだろう。
それにしても、コウノトリの社会もかなり人間臭く、離婚や再婚を繰り返しているようだが、こんなことがわかるのも、彼らにすべて足輪が付いていて、個体識別が可能だからである。今回のことは、ある種の壮大な野外実験であり、今後近親婚回避の有効な手段になると期待される。今年も各巣塔でヒナへの足輪付けが着々と進んでいる。
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