園長日記
(010)福田のメス、再婚おめでとう!
郷公園は第3世代のヒナの誕生を祝し、世代を超えた「つなげる、つながる」という目標をポスターにしたことを前回はお話した。そのポスターの主役となったのが「福田のペア」であり、この素晴らしい写真は研究部長心得の大迫義人さんが撮影したものだ(写真1)。左がメス、右がオスである。よく写真をみると、オスの足には足輪がついていない。このオスは2009年に、伊豆巣塔で巣立ったが、捕獲ができずに足輪がない状態であった。このままだと、大陸から飛来した足輪のない個体と区別ができなくなるため、捕獲を試みたが不幸にして死亡してしまったことは、園長徒然日記の第2回目に書かせてもらった。その後、福田のメスは、性成熟した独身のオスがいないことからズーッと後家を通してきたわけだが、このたびめでたく再婚した。
面白いのが、その再婚相手である。何とお隣の「赤石巣塔」で問題を醸(かも)していた母・息子婚のつがいの息子だったのである。これで、福田のメスはペアの相手を獲得できたし、長年手こずっていた「母・息子婚」(園長徒然日記7を見られたい)は、私たちが何も手を下さなくても自然解消したわけだし、みんなでホッと安堵の胸をなでおろしたのである。
ところがである。赤石巣塔では、息子が去って後釜にやって来たオスが、あろうことか今度はこのメスの4歳下の弟だったのである。「母子婚」が解消して喜んでいたら「姉弟婚」が新たに出来上がってしまった。難しいものである。それほど、豊岡個体群の近親婚の問題は大きいのだ。しかしながら、「福田ペア」に関しては、ポスターを見るたびに心が痛むという状況は一応脱したようだ。
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