公立大学法人 兵庫県立大学大学院大学院 地域資源マネジメント研究科

お知らせ

人工孵化・育雛したアオサギの野外解放

 9月20日、コウノトリの郷公園内のケージからアオサギ5羽を野外解放しました。

 サギ類の孵化・育雛に関する研究の一環として、環境省から許可を得て4月に豊岡市内の巣で卵5個を採取し、園内の施設で孵化させた後、コスチューム飼育のもとで職員が親代わりとなって育ててきました。国内では、孵卵器を用いて卵から孵化させた雛を親鳥ではなく人が育てる「人工孵化・育雛」によるアオサギの成育は動物園でも事例がなく、今回が初めての成功と考えられます。

 今回の研究は、東京動物園協会野生生物保全基金の助成を受けたシロハラサギ保全チーム(代表:法政大学 島野智之教授)との共同研究によるもので、得られた知見は、当園も協力しているブータンでのシロハラサギの飼育繁殖の取組みに活かされていきます。

 なお、解放した5羽のアオサギには、山階鳥類研究所とNPO行徳自然ほごくらぶの協力により、濃紺色の足環(番号は06N〜10N)を装着しています。これらのアオサギを見かけた場合は、コウノトリ同様、当園まで目撃情報をお寄せください。

 

【野外解放後に園内の湿地で過ごすアオサギ09N(右)と10N(左)】
 ※手前は祥雲寺ペアのJ0083(オス)

 

【野外解放後の追跡調査のために脚に装着した足環】

 

【人慣れを防ぐためのコスチューム飼育】
 ※アオサギに似た色のカッパを着用し、親鳥の嘴と同じ黄色のピンセットを用いてエサを与える
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